何となく本を出してみたいという思いを持っている人は多いですが、この夢を叶えたいのであれば出版方法について知る必要があります。
自分自身で出版するための資金を準備することができないのであれば自費出版ではなく、商業出版という方法がおすすめです。
ですが、これを実現することは簡単ではありません。
まずは流れや実現方法を詳しく知ることから始めるべきだと言えます。

商業出版で本が出されるまでの流れ

商業出版で本が出されるまでの流れは、大きく分けると2つあると知っておきましょう。

出版社から直々にオファーされる

1つは出版社から直々にオファーされるというものです。
出版社は自社の看板商品となるような本を書いてくれそうな人、出版で話題を集めることができそうな人にオファーを行っています。
芸能人のようなテレビで活躍している人、経営者や起業家など注目されている人などに声をかけるケースが多いです。
近頃は動画配信者にオファーを行い、本の出版を打診するケースも増えています。

本を出したい人が自ら出版社に企画を持ち込む

もう1つの方法は、本を出したい人が自ら出版社に企画を持ち込むという方法です。
自分が出したい本の内容を企画としてまとめ、出版社で編集者に見てもらいます。
募集を行っていない出版社に無名の人が持ち込んでも門前払いとなる可能性が高いですし、多少名前が知られている人であったとしても売れる内容であると思われなければ企画が通ることはありません。
持ち込みは狭き門だと言えますが、オファーが期待できないけれど本を出したい人はこちらの方法を選ぶことになります。

知名度を高めたりファンを増やしたりしておくことが重要

オファーを受けるにしても、持ち込みを行うにしても、商業出版を実現することは簡単ではないと分かったはずです。
困難な道であることを理解した上でチャレンジしてみたいのであれば、これを実現するためにできることを確認してみると良いでしょう。
無名の作家の本でも売れることはありますが、名前が知られていない人であれば本を手に取ってもらえる機会は少なくなります。
つまり、多くの人に知られていなければ売れるチャンスを掴むことは難しく、出版社からも売れないだろうと判断される可能性が高いです。
出版社からオファーを受けたい場合も持ち込みの際に売れそうだと思われたい場合も、知名度を高めたりファンを増やしたりしておくことが重要だと言えます。
たとえば、PV数が多いブログやフォロワー数が多いSNSを持っている場合は、それらで投稿している内容を書籍化すれば売れそうだと思ってもらえるでしょう。
大企業の社長であったり既にテレビに出ていたりする場合は話が別ですが、そうでないのであればまずは知名度を高めるようにしてください。
ユニークな企画があったとしても、あなたのことを知っている人や応援しているファンが少なければ書籍化しても利益に繋がらないと判断されるので、まずは普段活動している場所で有名になる必要があります。

企画を用意して出版社を訪れる

知名度を向上させることができたのであれば、企画を用意して出版社を訪れることになるでしょう。
書きたいと思う内容を盛り込んだ企画書をつくりたくなるかもしれませんが、自分が書きたいかどうかではなく売れるかどうかという視点で企画書を作成しなければなりません。
いつも活動している場所では話したことがない自分の美学やポリシーを書籍化して世に広めたいと思うかもしれませんが、大成功をおさめている起業家や有名人でなければそのような内容は難しいと言えます。
そうした内容よりも、誰かの役に立つような内容のほうが売れやすいです。
ものづくりの動画配信を行っているのであれば、ものづくりに対するポリシーよりも、動画化していない作品づくり、初心者向けのノウハウを書籍化したほうがヒットする可能性が高まります。
学習コンテンツの配信を行っているのであれば、自分自身のことを書籍で公開するよりも、効率的な勉強方法や子供の勉強を見守る親の心構えなどを書籍化したほうが売れる可能性が高いと言えるでしょう。
本を出すからには自分の希望通りの内容にしたいと思うかもしれませんが、売れる内容であることが大前提の世界です。
自分がこだわりたい内容を入れ込むことは可能ですが、メインストーリーは多くの人に興味を持ってもらえるような内容、買ってみようと思わせるような内容にしておく必要があります。
企画書を作成する際には、客観的な目線で読みたい内容であるかどうか確認してください。

まとめ

商業出版はオファーを受けて執筆をスタートするケースが多いですが、自分から持ち込みを行って企画を通す人もいることを知っておくと良いです。
ただし、どちらの方法も簡単に実現できるものではないので、商業出版に至るまでにはどのような流れや工夫が必要なのか押さえておく必要があるでしょう。
かなり険しい道のりですが、何もしないで声がかかる可能性は極めて低いと言えます。
商業出版を狙いたいのであれば自分から行動を起こすことが大事だと理解し、目標実現に向けて努力できるようにしておきましょう。